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2005/06/19

XPの障害復旧:ASR(自動システム復元)を使ってみよう

先日IRCで会話していたときに知ったことなのだが、 ASRという便利な機能を全く知らないユーザがかなりいるようだ。 ASRはとても便利な機能で、XPを使っているならばぜひとも活用したい機能の一つだ。
本家MSのサイトにもASRの解説があるにはあるのだがあまりにもお粗末で、注意するべきことが全く書かれていない。あれではたとえASRバックアップを行ったとしても復元で失敗すること請け合いだ。そこで、今回はなるべくわかりやすいようにASRの概要と手順を紹介することにした。よくわからないとか、こう書くべきだというご指摘がありましたら是非コメントを投稿してください。わたしの力が及ぶ範囲で応えさせていただきます。

ASRは自動システム復元(Automated System Recovery)機能のことで、 NTBackupの機能の一つである。自動的にシステムを復元するのはXPの「システムの復元機能」があるが、ASRがそれと異なるのは OSが起動しないほどのダメージを受けたときや、ウィルスに感染したときでも復旧できるということだ(バックアップファイルが無事ならば)。 OSと必要なアプリをインストールして自分がよく使う構成までセットアップした直後のASRイメージを作成しておけば、もしトラブルが起きたときでもASR復元操作を行うことですぐに使える状態までシステムを復旧させることができる。 Windowsは長期間使用しているとパフォーマンスが下がってしまうことがあるが ASRでまっさらな状態まで復元できる。そして、この方法では面倒なことこの上ないライセンス認証が必要ないのだ。復元作業も再セットアップに比べればずっと楽な作業である。この機能を使わないというのはかなりもったいない。

では、操作手順だ。まずはバックアップユーティリティーを起動する。スタートボタン→[ファイル名を指定して実行]をクリックして表示されるダイアログボックスに ntbackup と入力して[Enter]キーを押す。すると、下の図1のようなウィザードが開始される。(マシンの設定によっては図2がいきなり開かれるときもあります)
backup_wiz01

図1の「詳細モードに切り替えて実行する」をクリックすると図2が表示される。
blog_wiz02

図2の「自動システム回復ウィザード(A)」を選んでASRウィザードを開始する。

ファイルの保存先はシステムパーティション 以外を選ぶこと。
というのもASRは復元するときに、まずシステムパーティションをフォーマットしてからバックアップデータを展開する。つまり、システムパーティションにバックアップデータを保存してしまうと復元作業の初期段階でバックアップデータが消去されてしまうので復元できないのだ。
これ以外は特に注意する点はないのでウィザードの指示に従ってイメージを作成しよう。

ASRのバックアップイメージの作成が終わったら、もう一度NTbackupを起動して「バックアップウィザード(詳細)(B)」を起動してシステムパーティション全体の通常バックアップを作成する*1。もちろんこれも保存先はシステムパーティション以外にしなければならない。ただし、外部メディアに保存できるならばこちらのバックアップイメージは CD-RやDVD-Rなどの外部メディアに保存することもできる。

以上でASRのバックアップ作業は完了である。
続いて復元操作の手順だ。
復元作業には次の3つが必要になる。作業を始める前に足りないものがないかよく確認しよう。

  1. OSのインストールCD、またはセットアップフロッピーディスク
  2. バックアップで作成したASR復元用フロッピーディスク
  3. バックアップで作成したASRバックアップファイル

繰り返しの注意になるがASRバックアップファイルはシステムパーティション以外 に保存されているか確認すること。

ASRはOSが起動できないほどのダメージを受けた状態からも回復できるように作られているので、復元作業はOSのセットアップから分岐させて行うことになる。
まずはOSのインストールCDか、セットアップフロッピーディスクでPCを起動する。

セットアップ画面に[Press F2 to run Automated System Recovery(ASR)] と表示されたら[F2]キーを押してASRフロッピーディスクを挿入する。
あとは画面の指示に従って作業を進めよう。

マシンが再起動したらNTbackupを起動する*2。このとき、図1のウィザードが起動してしまった場合は「詳細モードで実行する」をクリックして図2の詳細モードに切り替える。そして、「復元ウィザード(詳細)(R)」を選択して復元ウィザードを起動する。
復元する項目で通常バックアップ で作成したファイルを選択してチェックを入れて「次へ(N)」ボタンをクリックしよう。最後に[完了]ボタンをクリックすれば復元作業が完了する。

ウィルスに感染して壊滅的なダメージを受けてしまったり、修正パッチやサービスパックを適用したら OSが起動しなくなってしまったことはないだろうか?
そんなときは今までは時間のかかる再セットアップがセオリーだった。(実際Windows2000まではそれしか選択肢がなかった) ASR は再セットアップという煩わしい作業からユーザを解放してくれるとても有用な機能だ。ぜひとも活用してほしい。

以下、補足説明。技術者向けです。

*1. ASRバックアップの次の通常バックアップについて
MSによるとASRで復元されるのはOSのシステムファイルとその関連ファイルだけとなっています。そのほかのデータはASR復元処理の初期のフォーマットで全て消去されます。元の環境を完全に復元するためには ASRバックアップデータと合わせてシステムパーティションの通常バックアップデータが必要になります。この通常バックアップは必須ではないものの強く推奨されているためASRバックアップ操作のひとつとして解説しました。
なお、ASRバックアップデータが古くても通常バックアップデータが最新のものであればそれを適用することで最新の状態を復元できます。

*2. マシンの再起動について
ActiveDirectryを複数のドメインコントローラで構築していてその中のドメインコントローラを、ActiveDirectoryデータベースも含めて復元するときは別の操作手順が必要になります。
Windowsセットアップによる復元完了後の再起動では 「ディレクトリ サービス復元モード」 で再起動してAuthoritativeRestoreを行ってください。
ActiveDirectoryデータベースまでは復元しなくてもいい場合は通常の再起動を行います(マルチマスタレプリケーションにより他のドメインコントローラの情報が自動的にコピーされます)。

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コメント

この度初めてASRを使ってみている者です。
会社のパソコン設定を仕事にしていますが、実は
全くのド素人で、専門的な知識もないまま苦し紛れに
こんな仕事をしています。
このサイトが2005年のものなので今更ではあると思いましたが、
もし回答が得られれば幸いとコメントを書かせていただきます。

すでに何度かASRを使ったリカバリを実施していますが、
下記の点について知りたいと思っています。
①バックアップファイルの保存先によってリカバリにかかる時間は異なるか?
 C・DドライブがあるPCでC:システムファイル D:バックアップファイルを保存
 してリカバリする場合と、外付けHDDに保存してリカバリする場合など。
②複数のバックアップファイル(例えばAとB)を同じフォルダに保存しておいて、
 リカバリ時に選択しようとしたが、Aのバックアップファイルを作成した時に
 作ったFDではAのバックアップファイルしか選べず、Bも同様のようです。
 ファイル名は変更ができるような表示でしたが、実際はできませんでした。
 これは仕様ですか?また仕様である場合、なぜ変更(書換可)できる表示なんでしょうか?
③同じバックアップファイルを使って(例えば外付けHDDをUSB接続など)複数のPCを
 同時にリカバリするなんてことは可能でしょうか?できるとしたら、リカバリにかかる
 時間は一台で行う場合と変わりますか?

投稿: オカモトミキ | 2009/11/17 12時20分

コメントありがとうございます。
わたしにわかる範囲でお答えします。

(1) バックアップファイルの保存先によってリカバリにかかる時間は異なるか?
異なります。
ASR を利用したリカバリは以下の手順で行われます。
i. HDD のフォーマット
ii. 最低限のシステムファイルのインストール
iii. バックアップファイルからの復元

最後のバックアップファイルからの復元では、大量のファイルが C ドライブへコピーされます。
このため、USB 接続の外付けドライブなどを利用していると、内臓ドライブに比べて膨大な時間が必要になります。
内臓ドライブでも接続方式が Ultra ATA 系の場合は、規格上の仕様により、C ドライブと D ドライブを
同一チャネルに接続している場合は復元にかかる時間が長くなります。

(2) バックアップファイルが選択できない、またファイル名を変更すると正常に動作しない
仕様です。
ASR では、FD に「どのファイルにバックアップしたのか」ということまで記録されます。
つまり、作成したバックアップファイルと FD は1対1で結びついています。
もちろん FD 内のファイルを自分で編集することができればファイル名を変更することも可能ですが
業務で使用する PC であれば Microsoft が推奨していない方法をとることは避けた方がいいでしょう。

投稿: Fomalhaut Weisszwerg | 2009/11/17 16時14分

(3) 同じバックアップファイルを使用して複数のマシンの復元が行えるか
ASR バックアップではバーティション情報や、接続されているデバイスの情報などもバックアップ・リストアされます。
人間から見ると同じに見えても、UUID といった情報は各マシンごとに異なりますのでやめたほうがいいでしょう。

なお、複数のマシンで全く同じソフトウェア環境を作りたいという場合にはリモートインストールサービス
( RIS と呼ばれます ) を利用する方法があります。Windows Server が既に存在するならば
RIS の利用をお勧めします。

RIS を利用するためには Windows Server が必要になりますが、ActiveDirectory と合わせることで、
ユーザにネットワーク内のどの PC を利用したとしても同じ環境を提供することが可能になります。

RIS については Microsoft の以下のページが参考になると思います。
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc786442(WS.10).aspx

投稿: Fomalhaut Weisszwerg | 2009/11/17 16時23分

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