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2005/07/16

Skype を導入してみよう

企業では Skype の導入にあまり積極的ではないという話を聞いた。 Skype はファイル送信機能も備えるし、誰とでもメッセージをやり取りできるので 情報が簡単に漏洩してしまうといったことを理由に管理者がGOサインを出さないらしい。 これはおそらく事実だ。何も対策をしなければ悪意を持ったユーザや ホームユースと業務ユースの区別がつけられないKidding Workerから漏洩することもあるだろう。 しかし、何も対策をしなければ漏洩のリスクがあるということは、 裏を返せばきちんと管理すれば防げるということでもある。
加えて、Skypeを使うことで得られるメリットも大きい。

危険があると小耳に挟んだからといって即座に全否定するのではなく、 どのような危険があるのかを知り、どうしたらそれを回避できるか を考えた上で使用したと仮定してどれだけのメリットを得られるのか を考えて判断すればいいのではないだろうか?
実際、わたしたちは E-mail は容易に盗聴されることを知りながら 業務連絡やWebショッピング、オークションに利用している。 なかには、E-mail でパスワードを送りつけるツワモノもいるくらいだ。 (E-mailは通常平文のままネットワークを流れる。これはハブによる シェアードネットワークの場合プロミスキャスモードで 動作させれば同一リンク上のメールすべてを盗聴できることを意味する。 L2スイッチネットワークでもArpキャッシュを溢れさせることで盗聴できる。) パスワードを送りつけるのは論外として、 わたしたちが業務連絡などでE-mailを頻繁に使用しているのは リスク以上にメリットが大きいと考えているからではなかろうか?

Skype のメリットとはなんだろうか?
最初に挙げられるのは、導入が簡単だということだ。技術的に簡単だというだけでなく、 コストがほとんど必要ないという金銭面における簡便さもある。 必要なものといえばヘッドホンマイクくらいのものだが、 音声通話が不要だというのであればこれも必要ない。誤解されることが多いのだが PC-to-PC の通話であれば Skype は無料だ。日中だろうが夜間だろうが 何時間会話していても無料。別途サービス料金が必要なのは「一般電話」と通話するときである。
さらに、Skype の音声通話は5人まで同時参加が可能で、いわゆる 「電話会議(ボイスカンファレンス)」も行えるが PC-to-PC ならこれも無料だ。 今までも多人数参加の電話会議はできないこともなかったが、そのためには電話会社に 高い料金を支払う必要があり「試しに導入してみよう」という試験運用も気軽には行えなかった。 しかし、繰り返しになるが Skype は無料である。試しに導入してみて 効果的ではないと思ったらやめればいい。費用はほとんどかからない。

Skype では多人数同時参加の文字によるメッセージのやり取り、チャット会議もできる。 参加人数は最大で48人だから、1部署であれば全員が参加できるだろう。 ログも保存することができるので、誰が何を発言したかということもしっかりと記録される。 会議の内容はログを見ればわかるので、新人が議事録を取ることに追われて発言できない といった事態も防げる。

通信上のセキュリティも考慮されている。 Skype では通信内容は AES によって暗号化される。 このため、途中経路で盗聴されても内容を解読される危険性は低いと考えられる。 少なくとも、E-mail で業務連絡やパスワードを送りつけたり、 周りに人がいるにもかかわらず電話でパスワードを読み上げるよりも安全だろう。

Skype は会議などの特別な状況だけでなく日常の業務も改善してくれるだろう。 あなたは取引先に連絡をしたいとき、あるいは出張先などから上司に連絡を入れたいとき どうしているだろうか?
代表窓口に電話→内線で取り次いでもらう→でもいなかった→がっくり_| ̄|○il|!
という経験がないだろうか?あるいは
離籍中に電話が来たらしい→メモがある→汚くて字が読めない→ショボーン( ´・ω・`)
という経験がないだろうか? Skype はこんな苦労からも開放してくれる可能性を持っているのだ。 Skype は相手のオンライン状態を確認することができる。 また、表示名も変更することができる。これらから相手の状態を確認して 離籍中や会議中のときは簡単な「内容を確認しましたら折り返し連絡をください」 と一言添えてIMやメールを送っておくといった対応もできるだろう。 緊急のときは、大至急連絡を取りたい旨をを窓口に伝えて取り次いでもらうこともできる。 出張中となっていたときは携帯電話に繋げばいいとわかる。 相手の状態に合わせた適切な選択が行えるのだ。

また、IMと音声通話を合わせて迅速かつ正確な連絡ができることも魅力だ。 人間の記憶はいい加減なものだし、それゆえに間違いや錯覚を起こしてしまう。 電話ではその頻度が高くなる。特殊記号や聞き分けにくいアルファベット ( % とか ~(チルダ), D と T など)が入った URL や E-mail アドレスを音声のみでやりとりするのは骨が折れる作業だ。 掛け手受け手、双方にとって面倒な作業だろう。 このようなものは文字で伝えたほうが双方にとって遥かに楽だし、何より正確だ。
発注や障害報告などでも後述のような書式のIMを送り、 それとともに音声通信で相手に一言確認を入れる。 相手にはすでにメモ(送られてきたIM)があるのでそれを元に正確で迅速な処理ができる。 手続きが迅速に行われれば、当然人員や物資は すばやく発注側に届くわけで双方にとって大きなメリットだ。
つまり、電話は相手にすぐに繋がる(かもしれない)が聞き間違えがあるかもしれない。 メールは正確だがいつ確認してもらえるかわからないというデメリットがある。 Skype の IM と音声通信を併用することで双方のデメリットを解消し 両方のメリットを享受できることになるのだ。

業務にSkypeを組み込むに当たっては、 よく使う連絡文書の書式を決めて、テンプレートを作っておくと便利だ。 こうすることで情報が抜けていないか確認できるし、 メッセージを受け取った相手もその処理が楽になる。 例を挙げると次のようなものだ。

障害報告

  • 日付
  • 所属部署
  • 氏名
  • 障害が起きた機器の名前
  • 症状
  • 他のマシンでも起こるのか(再現性はあるか)
作業依頼書

  • 日付
  • 依頼者所属部署/氏名
  • 作業内容
  • 希望日時
作業完了報告書

  • 日時
  • 業務番号
  • 責任者所属部署/氏名
  • 連絡事項(トラブルなどの有無)
発注書

  • 日付
  • 所属部署/氏名
  • 注文品名
  • 個数
  • 使用目的
有給休暇願い

  • 提出日時
  • 所属部署
  • 氏名
  • 希望日・日数
  • 理由

いうまでもなく情報の伝達は早く正確なほうがいい。 この目的が達成できるツールがあるのなら(しかもコストは非常に低い) 試験運用をおこなってみるのもいいのではなかろうか? とはいえ、ユーザの自由にさせるわけにはいかないのが現実である。次はSkypeを導入した後の管理について書こうと思う。

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