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2005/09/15

憲法改悪

http://www.asahi.com/politics/update/0914/009.html
憲法改正もやるだろうとは思っていたけどね・・・
増税も郵政民営化も自衛隊派遣も予想していた通りで、腹を抱えて笑いました。でもね、これは笑えなかった。笑えるものでもない。日本は過去に犯した過ちを反省し、二度と繰り返さないために、そして世界に平和を訴えていくために日本国憲法を策定し今まで守ってきたはずだ。

日本国憲法は平和主義・国民主義・基本的人権の尊重を柱としてこれらを厳密に保証する世界に誇れる憲法である。特に、日本国憲法ほど平和を訴える憲法は他には存在しない。それを、小泉が全てぶち壊そうとしている。自分の方針に合わないなら憲法でさえも都合よく書き換えてしまえという態度だ。

 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

上に掲げたのは日本国憲法の前文である。これにははっきりと「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こらないようにする」ことと「主権が国民に存する」ことが書かれている。国政のあり方も同様に「人類普遍の原理」として当たり前のことが書かれている。そして「これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する」とあるのだ。つまり、憲法であっても人類普遍の原理に反するものはあってはならないしそのような改変は認めないということである。

小泉にとってはこの前文は邪魔以外の何者でもあるまい。おそらく、最初の改正案では前文に手を加えるはずだ。すなわち「世界の治安を守る名誉ある地位にふさわしい国でありたいと思う」などというように軍事行動も認めるように書き換えられるだろう。また、第九条にもやんわりと手を加える。おそらくは第九条は「専守防衛の姿勢に変わりはないが、人道支援は積極的に行う」というような内容になるだろう。国民へ情報を開示するときの焦点は前文と第九条に絞られるはずだ。

第九十六条
この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする

その裏では、改憲に関するこの部分にこっそりと手を加えておくに違いない。つまり、「参議院の1/2かつ衆議院の2/3以上の賛成があれば国民の承認を得たものとし、即時公布できるものとする」などというように国民党票が必要ないような逃げ道を作るのである。当然ながらこの部分は、メディアには流さない。今回の選挙と同じように、前文と第九条の改正によってどうなるのかを盛んに宣伝し、改正するのは「前文と第九条のみである」かのように見せるのである。もちろん、賛成すれば日本人は世界のヒーローになれて、反対した奴は臆病者か悪党だと思い込ませることも忘れない。

第一次憲法改正が通ったら即座に次の改正案を提出する。もちろん内容は、「国際的な正義と秩序を守る名誉ある戦闘に限り、これを許可する」だ。そして、徴兵制が復活。国民の批判に備えて治安維持法も成立させるだろう。なんてこった、再び暗黒の時代の始まりだ。

日本国憲法前文には「名誉ある地位を占めたいと思ふ」とあるが、この名誉ある地位の国家とはいったいなんだろうか?武力と国力をちらつかせるような国家だろうか?相手に銃口を突きつける行為のどこに「世界平和を願う」姿勢があるのか、甚だ疑問だ。「侵すことのできない永久の権利」と定められている基本的人権すらも保証されない社会が住みやすい社会なのだろうか?世界と自分の子供に誇れる社会なのだろうか?わたしには、世界に誇れる憲法が台無しにされ、国民の生活も破壊されるような気がしてならぬ。

こんなことになるはずがないと思うなかれ。自民・公明が圧倒的議席を保持する今、法案は全て通る。憲法の改正にしても、今回の選挙のように猿回しの猿に仕立て上げられていることに気付けないようでは、やはり通ってしまうだろう。そうならないためには、国民皆が政治に真剣な目を向けなければならない。そして、生涯教育を言葉だけでなく実践していかなければならない。

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