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2005/12/20

Googleの黄金律10ヶ条

以前に、人材を確保するためにはどうしたらよいかということについて negative な側面から考えた。 言い換えると「人がいなくなることを防ぐ」にはどうしたらよいのかといったことだ。人に来てもらう、または 獲得する方法がなかなか思いつかなかったからだが、少し前に Newsweek ( Issue 2006 ) でGoogleの黄金律10ヶ条という記事が掲載された。 Google は優秀な人材を次々に獲得していることで有名だ。 元Microsoft の Kai-Fu Lee 氏が Google に移籍するときの騒動は多くの方が耳にしたと思う。 騒動は置いておこう。とにかく、Google がどのように人材を集めているのかを知ることは、 わたしたちにとっても有用だし、企業経営者は知っておくべきことであると思う。

Google の黄金律10ヶ条は次のようなものだ。

  1. 委員会ごとに ( たぶん「数人のグループ単位で」だと思う ) 採用する
  2. 必要とされるものは全て提供する
  3. チームは一箇所にまとめる
  4. メンバーが連携しやすいようにする
  5. うまいものは自分で食え
  6. 創造性を引き出せ
  7. 意見が一致するように勤めろ
  8. 邪悪なことはするな
  9. データが判断を後押しする
  10. 効果的なコミュニケーションをする

そのほとんどに納得できる。
また、Google は、この10ヶ条はGoogle だけが実施しているものではなく、 シリコンバレーでは多くの企業で実施されていることだといっている。

"Programmers want to program, they don't want to do their laundry."
( プログラマーはプログラムを書きたいのであって、洗濯をしたいのではない。)

"Encourage creativity. (中略) We want to allow creative people to be creative."
( 創造性を引き出せ。(中略) 創造力のある者は創造的であるべきだと思っている。)

"(中略)At Google, the role of the manager is that of an aggregator of viewpoints, not the dictator of decisions. (中略)"
( Google では管理者の役割は意見をまとめることであって、方向性を決定することではない。)

これは原文からの引用であるが、ついでに言わせてもらえば

「Knowledge worker は 知的生産活動をしたいのであって、電話番、上司のご機嫌取り、宴会をしたいわけじゃない。また、道路工事現場でプログラムを書きたいわけでもない。」
Knowledge-worker want to do Knowledge-jobs, not want to handle the phone call, suck up, orgy.Also They do NOT want to do programming at NOISY PLACE like the construction site of the traffic.

Do you understand? =-)

わたしは、上に挙げた項目は最低限の守るべき黄金律だと思う。つまり、プログラマーが集中して プログラムを創れることを用意して、プログラマの作業を邪魔しないようにすることが大切なのだ。 何を当たり前のことをと突っ込みたくなるかもしれないが、現状は1つでもクリアしている現場ですら稀。 酷いところでは仕様書が降りてくるのが締め切りの3日前ということもあった。
プログラミングは頭をフル回転させる作業で、頻繁に割り込みが入るような場所や、道路工事現場で できるようなものじゃない。

「人が入らない」だとか「人がいなくなってしまう」と悩んでいる場合は愚痴る前に 上記の項目のチェックをするべきだと思う。つまり、仕事がしやすい環境があるかどうかを考えるんだ。 黄金率をひとつも満たしていない企業と8個満たしている企業のどちらに入りたいか、 と問われればよほど奇特な人を除けば後者を選ぶのは目に見えている。 逆に言えば、プログラミングに集中して取り組める会社なら knowledge worker は喜んで働く。

消費者に必死でアピールするのもマーケティング戦略上必要なのは理解できるが、 そのしわ寄せがエンジニアに押し寄せるのはいかがなものかと思う。優秀なエンジニアが抜けてしまえば 組織の競争力は大きく低下する。これでは本末転倒である。これからは、 消費者にアピールするのと同様にエンジニアに対しても「自社」という商品をアピールする 必要があるのではないだろうか?

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