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2006/01/09

Dilemma of Microsoft

Ozzie's Memo が発行された背景の話。 Microsoft はだんだんと影が薄くなっている気がする。 それはなぜだろうか?

IE が大成功を収めた後、保守路線に走ってしまったため、 それに失望した、挑戦的で技術をリードする Geek が抜けてしまった。 この結果、Microsoft はカジュアルマーケットにおいて大きなインパクトを与える 商品 ( サービスも含めて ) を生み出す力を失ってしまったのだ。

中島氏が指摘しているように、人事の失敗もことの原因のひとつであるが、 "10 rules for Web startups" に照らし合わせると Microsoft が ミスをしている他の原因も見えてくる。( このルールは「スタートアップ」とあるが 起業するときだけでなくその後の運営についても守るべき10ヵ条であると思う )

10 rules for web startups は以下の通り。
Be Narrow
Be Different
Be Casual
Be Picky
Be User-Centric
Be Self-Centered
Be Greedy
Be Tiny
Be Agile
be Balanced

わたしはこれに "Be Defiant ( 挑戦的であれ )" と "Be radical ( 攻撃的であれ ) を加えたい。一度成功したからといって、いつまでもそれに縋り付くようではダメなのだ。 Microsoft は Windows95 で大成功したが、その後の 98, Me は似たようなものだった。Windows2000 の登場は大きな転機といえるかもしれないが、その後続の XP は 2000とほとんど同じだ。細かいところは変わっていてもそれが広く受け入れられないようなものやあまり使われないようなものじゃダメなんだ。はっきりと「変わった」と認識できるもので、ユーザが役に立つと認めたものでなければユーザはお金を出して乗り換えようとは思わない。

Microsoft は OS に Office に Webサービス、それにゲームだとか家電まで手を出している。これじゃぁ "Narrow" とはいえない。"Be Narrow" とは、取り組むモノを決めてそれに全力で取り組もうということだ。とても大切なことだけれど、ゼネラリストでは分野のスペシャリストには勝てないんだ。あれもこれもそれも・・・という取り組みでは、それぞれの分野のスペシャリストに打ち負かされてしまう。Google を見てみよう。彼らはWebサービスに集中して取り組んでいる。彼らはWebサービスのスペシャリストだから ゼネラリストの Microsoft に勝つことができたんだ。

とある企業が大成功したからって、それを真似るだけでもダメだと思う。一番最初になにかを創り上げた企業は大きな注目を集める。でも、2番3番となっていくにつれて「あぁ、またか」と思われるだけで、ユーザの関心を集めるのが難しくなっていく。多くの人に注目されたほうが、サービスの利用者を獲得できる確立は高い。逆に言えば、全く気付かれなかったとしたらサービスの利用者はいつまでたっても0 ( ゼロ )。似たようなモノであってもなにかが違っていなければならない。たとえば、本を購入するためのサイトは Amazon 以外にもある。が、世界で一番よく知られているのは Amazon だし、利用率の高さもまた同じだ。Amazon は一番最初にインターネットで書籍の販売サービスを提供したわけじゃないし、なにか特別なものを扱っているわけじゃない。何が違うのだろうか?

違いは恐らくは "User-Centric" であるかどうかだとおもう。本を検索するとき、( 最近は減ってきたようだが ) 熱心に広告費用を払っている出版社の本だとか、自社で出版している本を検索の上位に表示するサイトは少なくない。それどころか、全く関係のない本を上位に表示してくれるサイトもある。しかし、Amazon はちがう。Amazon ではキーワードと関係のある本のうち、「もっとも売れている」本を上位に表示する。それだけではなく、ユーザーが作ったリストも表示してくれる。サンプルページ、ユーザーレビューとリストを合わせると、その本にどんなことが書いてあってそれが自分にとってほしいものなのかを知る手助けになるんだ。直接品物を見ることができないWebショッピングで、この点は正しく User-Centric であり、他社と Different だ。

Microsoft はどうだろうか?昔は酷かった検索 ( MSN Search ) はかなり改善されている。また、Google にはない、検索サービスについての意見をフィードバックする機能が追加されていることを見ると、検索では Google を超えられるかもしれない。

しかし、MSN Messenger のように Version が上がるごとに使いづらくなっていくものがある。他のサービスは Google の後追いのような感がぬぐえなかったりもする。これらのサービスは他が実装したから、同等のものを急いで作って無理やり付け足したような歪な感じがする。

OS や 、アプリケーションの Office を見れば解るようにリリースされるソフトはどんどん巨大になるばかりだ。肥大化したプログラムは、動作が重いし操作も複雑になる。なんでもかんでも最初から組み込んでしまうのではなくて、インストールは最小限の構成で行い、その後でユーザに必要な機能を追加インストールしてもらうべきだと思うのだ。不要なエフェクト ( アプリケーションが起動するときにクレイジーなスプラッシュスクリーンを表示したりだとか ) はもちろん実装するべきではない。ユーザはコンピュータを使って仕事をしするかあるいは遊びたいのであって、OS や アプリケーションの起動画面を眺めたいわけじゃない。

機敏性が失われつつあることも問題だ。10年前にGates氏は " The Internet Tidal Wave" というメモによってWeb-based Service の重要性を自ら主張した。このメモで喚起されたとおりに10年前から準備を進めていたなら、恐らく Web-based Service でも Microsoft が覇者となっていただろう。しかし、現状は Google に先行されている。Microsoft も似たようなサービスを追加してはいるが、先に述べたようにあまり注目されていない。

わたしが考えるに Microsoft は10ヶ条のうち半分もクリアしていないだろう。結局のところ、Microsoft が盛り返すためには保守的な会社の体質を改めなくてはならない。 Microsoft からは Visio などとても便利なツールが今でもリリースされているのだから、新しいものを生み出す可能性はまだ残っていると思う。あとはどれだけ挑戦的になれるかだ。

このまま Google の一人勝ちではあまり面白くない。Microsoft が、OS と同じく、Web-Based Service を独占してしまうことは避けるべきだが、健全な競争がある場になってくれればと切に願う。そうすればよりよいサービス、より刺激的で興味深いアイディアが生まれてくるに違いない。

Reference
・Ray Ozzieが「マイクロソフトのWeb2.0宣言」を書いた理由 ( ZDNet Japan, 2005/01/04, 中島聡 )
・「サービス化の波に備えよ」--ビル・ゲイツによる話題のメモを全文公開 ( CNET News.com, 2005/11/10 )
10 rules for web startups ( 2005.11.27. evhead )

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