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2006/07/02

Google: 新しいサービスが生まれるまで
--コアフィロソフィーと全員一致の原則--

BusinessWeek.com に Marissa Mayer 氏の掲載された。 Google ではどうやって新しいサービスを開発しているかが語られている。 いつものように拙い訳ではあるが、翻訳してみました。最後に出てくる "consensus-driven" approach は「全員一致の原則」とでも呼びましょうか。 これは Googleの黄金律 でも触れられていますね。 ただし、大切なことは経営者の意見一致ではなく、チームの技術者の意見一致 でなければならないということでしょう。

いつものように、誤訳の指摘は大歓迎です。
特に今回はかなり訳しにくい部分があったので不安です。
英語に強い方のご協力をお待ちしております m(_ _ )m

  • たくさんのアイディアを試せ
  • 試験中のアイディアをより洗練しろ
  • サービスとは何かを理解しろ

これが Google の信条です、と検索&ユーザーエクスピリエンス担当副社長の Marissa Mayer 女史は語る。

Google をよく知らない人にとって、サービスを公開したときの Google の株価の 一時的な混乱は全くでたらめに見える。たとえば、去年のブログサーチエンジン ( 訳注: Google Blog Search のこと ) やファイナンスサイトと IM ( 訳注: Google Finance Google Talk のこと )、それにスプレッドシートサービス ( 訳注: Google Spreadsheets のこと ) だ。そして6月28日には、eBey や PayPal にあるような オンライン決済システム ( 訳注: Google Checkout のこと。2006.7.2現在日本では開始されていません ) も登場した。

Google はインターネット検索エンジンの枠を超えて大成功している。これは明らかだ。 しかし、これまでのところ、検索以外の分野での Google の業績はぬるい ( tepid ) ものがある。 Google は ADD ( 訳注: ADHD のうち多動性を欠いた状態のこと。1つのことに 集中できずに衝動的にあれもこれもと手を出してしまう様を喩えているのだと思います。 なお、日本ではよからぬ誤解を招くこともあるので ADD, ADHD ともに使用しないほうがいい言葉です。) に陥ってしまったのか?それとも狂気ともとれる見かけの背後には法則があるのだろうか?

Marissa Mayer が BusinessWeek の記者 Ben Elginに、 Google が新しいビジネスに挑戦するときの努力について語った。 これはその引用である。( 訳注: 以降、太字が Ben Elgin氏の質問で、 それにMarissa Mayer 氏が答える形になっています )

Google は検索を超えた分野への事業拡大を考えています。 Google がやってきたことにをどう感じていますか?

2~3あるコアフィロソフィーからお話したいと思います。 わたしたちは、有名になることよりもより多くのサービスを開始するべきだと信じています。 本当に功を奏するであろう新しいイノベーションを見つける秘訣は、 5つリリースしてその中の1つか2つは上手くいくだろうと考えることです。 わたしはこの方法で考えてきましたし、( 実際 ) 大きな成功を遂げてきました。 プロモーションは行わずに、わたしたちはプロダクトを公開してきました。 そして、その中のいいプロダクトは成長しています。わたしたちはなるべく早く プロダクトを公開したいと思っていますし、ユーザがそれに対してなんと言うか、 ユーザが追加してほしいと思う機能は何なのかを知りたいのです。そして、 ユーザの声を参考にプロダクトを作って公開します。

わたしたちは、プロダクトは研究所 --Google beta site-- に公開して、 ちょっとした小さなものから口コミで成長させた方がいいと考えています。 そうすることで要望に対応するための時間が取れるのです。 加えて、この方法はいくつかのさらに重要なこと、「このプロダクトは主な 必要性を十分に満たしているか」「このプロダクトの市場の大きさはどのくらいか」 「他と比較して、わたしたちのプロダクトの強度はどのくらいなのか」 といったことを教えてくれるのです。

新しいプロダクトが成功したかはどうやって判断するのか?

まず最初にログを参照します。それからユーザからのフィードバックです。 Gmail は最も広く知られていると思う。規模でいえば Hotmail や Yahoo!メール ほどの大きさはない。実は、前述のイノベーションモデル ( 訳注: 少数のユーザ に公開して、そのフィードバックを元に改善しながら徐々にユーザ数を増やす、 という方法のこと ) に従って Gmail を持ち上げるようなことは禁止したのです。 Gmail をこのイノベーションも出るから開放したら、需要と同じ10倍くらいの 大きさになることは容易に想像できます。現在の10倍の大きさになるとしたら、 それは Hotmail や Yahoo!メールと大体同じくらいの大きさです。このことから、 わたしたちは Gmail は大成功したプロダクトだと考えています。

もしアナタが Google News のようなものを軽くでも見たとしたら、それは実際には結構上手くいっているのです。 わたしたちは Google News を40ヶ国で40以上の言語で提供しています。 これら全ての地理的にも、人口統計的にも異なる地域から集められた PV から、 わたしたちは Google News が実現したことを誇りに思います。 Google News は年々成長しており、成熟したプロダクトの中でももっとも強力なものになっています。 わたしたちはトラフィックが毎年2倍に増えているのを見ているのです。

わたしたちが多くのことを形にするに当たって支えてきた重要な基盤があります。 確かにわたしたちが公開したいくつかのサービスがありますが、 わたしたちは市場のリーダでもなければそうなろうとも思っていません。 わたしたちは多くのプロダクトを放棄することになるだろうと予想しています。 放棄されたプロダクトは思い出されることもなくなるでしょう。 しかし、ユーザはその中の本当に重要な、多くのユーザを抱えていた何かを思い出すでしょう。

Google Checkout のようなカテゴリーキラーとなりうるような 新しいサービスを、報道機関やアナリストが頻繁に報道してしまいます。 Google が市場に革新を起こしたり競争事業者を蹴落とすことについて 人々は Google に過度の信頼を寄せているのではないか?

わたし自身も含まれますが、一般に、人々は短期間を過大評価し 長期的には過小評価する傾向があります。もし彼らが書くヘッドラインを 目にしたとしたら、彼らにはこの種の心理が働いているのです。 PayPal は本当に素晴らしい、十分にこなれたプロダクトです。 そしてわたしたちのサービスがやろうとしていることは何かを実際に観察したならば、 Google Checkout は本当は彼らのやることとは競合しないし 彼らの中枢となるコンピテンシーとも競合しないとわかるでしょう。 つまり、Google Checkout が何を目的にしているのかを誤解しているに過ぎないのです。

Microsoft の Excel のような十分に洗練されたプロダクトを観察してください。 開発サイクルのごく初期の生まれたばかりのプログラムに高い価値をつける ( hold up ) のはかなり無理がありますし、 キラーアプリとなることを期待することも難しい。隙間に入って競争しようと思うでしょうか? もちろん、完全に成熟した市場に出せるだけの長い時間が取れるならば、可能でしょうけど。

Google の HP はすっきりと整えられている。鋭利なデザインを失うことなく プロダクトが目に付くようにするにはどうすればいいかとか考えが変わることはなかったのか?

ちょっとは変わっていますよ。根本的な部分を変更したり、 全てのプロダクトを HP に並べる準備はまだしていませんね。 でも、サイト案内をどうやって変更しようかということに対するキーコンセプトならいくつかあります。 1つはわたしが "San Angels" or "Los Diego" ストラテジーと呼ぶものです。 アナタが持っている大きなプロダクトをまとめてひとつの大きな possible nucleus にするのです。 たとえばアナタが San Diego と LA を持っているとしたら、それらをまとめてひとつの メガシティにするのです。メガシティは2つが独立して存在するよりも大きく 人々の印象に残るでしょう。

Google News を見るとき、 ユーザは現在の出来事に強い関心があるし、マルチビュー ( それも Blog Search や Google Finance で表示されるような使いやすい ルックアンドフィールを持っていなければなりません ) で見たいと思う ユーザの基本心理を Google は理解している。そう、わたしたちは どうやって機能を持った断片を組み合わせたらいいのかを観察しているのです。 人々にとっては特定の企業のプロダクトを5個も10個も憶えているのは難しいことです。 もしわたしたちがそれぞれのプロダクトをより大きくより意義があるようにしたならば、 わたしたちとユーザの両方により多くの利益がもたらされると考えています。 なぜならばユーザにとってはいくつも完全に憶えている必要はなくなりますし、 わたしたちはトラフィックが増加するからです。

Google の広告はニッチなものなのか?

Da Vinci Code のクエストのようなとても興味深いことがありました。 4月に起こったことです。わたしたちは SONY Pictures と共同研究していました。 わたしたちは SONY が映画に使う広告と同じくらいいいものを創っていました。 Google が創るプロダクトの理解を得ようと思ったのです。 ( 訳注: このパラグラフはかなりいい加減です。どう訳していいものかさっぱりわかりません )

クエストを行う人々のために、毎日異なる Google のプロダクトを展示しました。 ログインして、少なくとも1度はパズルで遊ぶ人々が数百万人いました。 そして、わたしが思うに、10万人以上がそのパズルを解き明かしました。 Google の従業員であったため失格となってしまったのですが、参加者の中には Google の共同創始者の Sergey Brin がいたのです。彼は100,072人目の達成者でした。 彼は予選で失格になってしまいました。

たくさんある既存のサービスをアップグレードしていくに足る規律は Google にあるのだろうか?

CEO の Eric Schmidt と共同創始者の Larry Page は もう少し組織化しなければならないと認めています。 しかし、技術者の心理を理解することもまた重要なのです。 特定の仕事に取り組み続けてうんざりしたので 新しい仕事に移りたいと思っている技術者が何人かいます。 しかし、多くは働き続けてなじんだ場所で、 最善の組み合わせのプロダクトを作りたいと思うのです。 ( 訳注: 新しい未知の仕事にどんどん挑戦したいという少数の技術者と、 なじんだ場所で働き続けたいと思う多数の技術者がいる、ということでしょう )

News チームを指揮する Mike Dixon は "ニュース" ということについて あまり明るくない技術者でした。しかし今では世界中の情報源に驚くほど精通しています。 間違いなく彼は熟達したニュースの利用者となったのです。そして、このことは 質が高く最善の組み合わせのニュースサイトを作るために本当に重要なのです。

Google Maps の技術者についても同じことが言えます。彼らは文字通り 世界中の地図を表示することを研究しました。 彼らは彩色とコントラストも研究しました。 道路名は、地図上の道路を横切る形で表示されるのではなく、 実際には表示される道路の中に表示されます。

PM は Google 内部でもっと力をもつ必要があるんじゃない?

いいえ、そうは思いません。わたしたち ( 訳注: 恐らくPMに相当する人 ) は課題に熱心に取り組んでいる人々がいるチームをまとめています。 面白いことに、わたしたちは詳細設計は決して行わないのです。 「これがわたしが作りたいものだ」といわんばかりの70ページにも及ぶ ドキュメントを押し付けようものなら、創造力を大きく削ぎ落とすことになります。 とあるエンジニアは「あんたは忘れているだろうが、 付け足したい機能があるんだよ」といいました。 アナタは創造力を削ぎ落としたいとは思わないでしょう。 チームが一丸となって作ろうとしているもののヴィジョンを創り上げ、 さらにそれぞれのメンバーの創造力を加算できるだけの十分な余裕を残しておく という "consensus-driven" アプローチがわたしたちの創作意欲をかき立て、 いままでに創ってきたような最高のプロダクトを生み出したのです。

Reference
Inside Google's New-Product Process
( Businessweek.com, 2006/06/30 )
Googleのブログ検索「Google Blog Search」ベータ版公開
( InternetWatch, 三柳英樹, 2005/09/14 )
Google Talk について( Google, 2006 )
米Google、サイト横断的決済サービス「Google Checkout」提供開始
( InternetWatch, 青木大我, 2006/06/30 )
*訳注: 2006/07/02 現在、checkout は日本では開始されていません
Google: Ten Golden Rules
( Newsweek.com, Eric Schmidt and Hal Varian, 2005/12/02 )

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