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2006/07/07

あまりにも愚かな認識

率直に言って馬鹿としか思えない。
ITMedia の Alternative Blog 笑門来福のエントリ思考実験:2010年「殺傷ゲーム禁止法」制定を見てほしい。あまりにも酷すぎる。肩書きは CEO らしいが、このような人間が CEO を勤めるような会社で働きたくはないものだ。なぜかって?このエントリを見る限りマスコミに踊らされているとしか思えないからだ。嘆くとしたらあなたの現状認識能力。

ゲームが少年犯罪の増加と結びつきがないことを証明しよう。

まずはこちら ( PDF File ) を見ていただきたい。そして下のグラフは警視庁の2004年度の統計、統計図表第14 より抜粋したものだ。

少年犯罪件数の変動

ゲーム世代は大体1980年代後半からということになるだろう。これを前提に上の図表を考察してみよう。 平野氏が主張する以下の仮設、

私は、若い人たちがこれだけ人の命を軽く扱うようになった最も大きな原因は、家庭でも学校でもなくテレビゲームではないかと危惧している。ゲームの中ではあまりにも安易に人を殺す。しかも、昔のゲームと違い最近のゲームのリアリティの高さといったら、映画かと思うほどのクオリティだ。「リセット症候群」などという言葉もあるが、残念ながら現実の世界ではリセットしても死んだ人は生き返らない。

( 思考実験:2010年「殺傷ゲーム禁止法」制定 第三段落より抜粋 )
これが正しいならば、ゲーム世代が15歳前後になる1995年以上は犯罪件数は増加するはずだ。 それも、最近になるほどリアルになってより犯罪に強く結びつくのだから、どんどん増加する傾向が見られなきゃおかしいよね?

グラフを見てみよう。1995年といえば平成7年だ。おやおや、犯罪件数はそれまでと比べて大きく減少しているじゃないか。これはいったいどういうことだ?それ以降も犯罪件数は増加していない。指数を見ると、むしろ、平成11年以降はさらに減少しているとさえいえる。こりゃどういうことだ?

結論: ゲームは少年犯罪の増加とは関係がない。

さらに、景気あるいは就職率と少年犯罪発生件数の間にも相関がないことがこのグラフから明らかになる。高度経済成長期・バブル期は現在の2倍近く少年犯罪が発生していて、バブルがはじけてからは少年犯罪が少なくなっているからね。なお、犯罪と景気、就職率の間の相関がほとんどないことは Steven D. Levitt 氏の著書 Freakonomics でも明らかにされている。

Dan 氏も書いているけれど、報道機関ってのは世界の出来事をそのまま流したりはしない。大抵はバイアスがかかる。それをそのまま鵜呑みにすることほど危険なことはない。報道機関が流す情報が正しいかどうかは視聴者自身が確かめなきゃならない。特に、何のデータも示さずにしたり顔で語る自称専門家が出てくるとしたら、それは要注意だ。

最後に、氏にはこの言葉を送ろう。

通念は大体間違っている。
データと真正面に向かい合えば、新しい、驚くような発見にたどり着けることが多い。 ( Freakonomics 序文より )
Reference
警視庁 2004年度統計図表14
Freakonomics( Steven D. Levitt, 2006 )
あまりにも痛ましい現状認識が多すぎる
( 404 Blog Not Found, Dan Kogai, 2006/07/07 )
少年犯罪特集( プロファイル研究所, 管理人とまと )

2006.08.14追記
統計データをわかりやすくグラフにまとめ、鋭い考察をしているサイトを見つけました。
反社会学講座第二回 キレやすいのは誰だ

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受信: 2006/07/10 16時40分

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