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2006/10/15

[ google ] Innovation に繋がる Chaos

Life is Beautiful のエントリ Googleの強さはStructured ChaosにありでFortuneの特集記事 Chaos by Design" が取り上げられている。特集は Google の組織内の様子について触れたものだ。新しいアイディアが出てきたとき、それを扱ったらいいのか。失敗してしまったとき、どう評価したらいいのか。とても参考になる。 ものづくりの場ではかくあってほしいものだ、という念を籠めて特集記事を翻訳してみることにした。数回に分かれると思うが気長に待ってほしい。

Chaos by Design

Google の無秩序の内側にあるもの。
そしてなぜ Google は全てでそうであろうとするのか。

Google のキャンパスで数分間過ごせば、すぐにそれを実感できる。 ここはカオスの先端で時代を動かしている企業だ。Google は創業から8年、 1年の売り上げは 100 億ドル、時価総額 1250 億ドルの企業だ。しかし、その雰囲気は 専門家が分析したような利潤追求企業ではなく、新鮮さが入り混じっている。

130 万平方フィートの本部は2階建てのビルで、なかには陽気なカフェテリアとか ( もちろん無料だ )、うんざりする会議室だとか、自由討論ができるようなホールウェイ とかが入っている。その周りには砂地のバレーボールコートとか、youngsters whizzing by on motorized scooters, and -- there's no better way to put this -- an anything-goes spirit. ( 訳不可能。助けてください。) Google は失敗と成功が共存する場所だ。アイディアは優れた技術屋からすぐに 浮かび上がってきて、そのプロジェクトが絶対にお金になるかどうか考え込む人は 誰もいない。

最先端のマネージメントスタイル

Sheryl Sandberg を取り上げてみよう。Sheryl Sandberg は 37 歳のバイス・ プレシデントで、企業の自動広告システムを担当している。Sandberg は最近数百万ドル の損失を出すことになったミスをコミットしてしまった。「拙い決定だった。 早く動きすぎた。コントロールができない。いくらかお金を浪費してしまった。」 対する彼女の言葉はこれが全てだった。彼女は自分のミスの大きさを理解すると Google の共同創始者で進む方向を決めている Larry Page に報告した。「たいへん拙い ことが起こってしまいました。すみません。。。」と Sandberg は Page に謝罪し、 Page はその謝罪を受け入れた。しかし彼女が去ろうとしたとき、Page は驚くような 言葉を彼女にかけた。「わたしは君のミスをうれしく思う。なぜならば Google は とてもすばやく、そして大胆に動く企業でありたいと思っているからだ。注意深すぎて こまごまとしか動けない企業にしようとは思わない。もしこういったミスが 全くなかったとしたら、それはただ単に十分なリスクを取っていないからに過ぎない。」 ( 訳注: Page の発言が意味することは「Waltzing with Bears ( 邦題: 熊とワルツを )」 に詳しく書かれています )

数百万ドルもの損失を出して賞賛されるなど、ふつうの企業であれば全く考えられない ことだ。これを理解するために、もう一度 Shona Brown という人物について話したいと 思う。Shona Brown は 40 年前は McKinsey のコンサルタントをやっていた人物で、 現在は Google の事業運営担当上級副社長である。これは彼女の名刺に書いてあることだ。 そして彼女は Google の「カオスな」オフィスのチーフでもある。彼女は 1998 年の ベストセラーとなった本 "Competing on the Edge: Strategy as Structured Chaos" の著者だ ( 訳注:邦題にするとしたら「最先端を走る -- 構造化カオスの原理 -- だろうか )。その通りなのか Google にはカオスが満ちている。 彼女に会うことになっている当日のことだ。わたしたち取材班の案内係とわたしは 残念なことに道に迷ってしまった。Google では誰かを探すには正確な案内と 色分けされた地図を解読する能力が必要なのだ。わたしたちは、なんてこった、 間違ったビルのロビーに入ってしまい、未知を引き返したもののまた別のビルに 入ってしまったおかげで、彼女の場所に到着したのは17分も遅れてのことだった。 Google の建物は確かにカオスに満ちている。

Brown は無秩序であること(訳注: 原文はmade a career of arguing that anarchy isn't such a bad thing ) はそれほど悪くないと考えている。 これは Google の創業者である Page と Brin、CEO の Schmidt が彼女を 雇った理由でもある。技術者が主役となっている企業における経営学の専門家として、 彼女は Google は「究極のペトリ皿」だと思っている。彼女の仕事は何でもありだが 理論的だ。さらに人材管理では、Brown は 25人の戦略コンサルタントの SWAT チームを 運営した。コンサルタントたちは一度に10以上ものプロジェクトを担当していた -- ここで地域販売員の削減を行い、市場のサイズを見積もったのだ。

会社のゴールは必要とされるマネージメントの量を正確に決定すること -- そしてそれより少し少ない量を使うこと -- と Brown はいう。これは彼女が スタンフォード大学の経営学の教授とともに記した本で提唱した Goldilocksian 法 そのものだ。成功への道というのは「とても早くて、あいまいな状況」のなかで生まれる と彼女は語った。そのためには過剰な構造化は避けなければならないし、 全く構造化がない状態でもダメなのだという。言い換えれば、熱過ぎず冷た過ぎない 環境を作らなければならないのだ。「わたしがオフィスに入って快適だと感じて、 あるスタッフに緊張のかけらも感じられないようなら、そのスタッフは解雇 ( 訳注: 原文はthen we've taken it too far ) します。」

ビジネスに Googley 法 でアプローチ

Google には快適さのための風変わりな切り札がある。Google の8000人を超える 従業員の一人を抜けてしまわないように ( 首にならないように?) 常に才気を 維持していなければならない。ミーティングは大抵は正時に始まるが、入ったばかりの Google 社員は少人数用の会議室を前にして戸惑うことが多い。彼らは hallway の ホワイトボードに落書き、ジョークまで書くことがある。たとえば、企業向けの オンライン広告プログラムを腹黒く改良したりするのだ。(「まぶだに AdSense 」 なんてのもあった。)

有名人を目撃することも珍しくない。2~3年ほど前、わたしは日当たりのよい中庭で Page と Brin とゲストとして招待されたコメディアンの Chris Tucker と昼食を食べた。 わたしが Brown と面会した日は George Soros が Google で講義を行っていたし、 Google のアドバイザーである Al Gore は頻繁に姿を見ることができる。 ( 訳注: George Soros は投資家、政治家、慈善活動家として有名なようです。 Al Gore は判りませんでした。検索したら米国副大統領が引っかかりましたが・・・)

このような一風変わった文化を育てるには莫大な費用がかかる。Google は確実にこの方法を 取ってきたのだ。株式公開されてから2年で、Google の株価は4倍になった。莫大な費用がかかるが 収益が高い方法なのだ。だからこそGoogle は巨大なデータセンターを世界中の市場とオフィスに 建設しているにもかかわらず、四半期ごとに現金にして $800 million もの利益を上げているのだ。 現在 Google は Yahoo や Microsoft といった著名な競争相手の一歩上を歩いている。 そして Google のシェアや deals won, buzz (訳注: 適切な日本語訳を思いつきませんでした。 へるぷみー) は、News Corp や Viacom、 WPP といった大手広告代理店に近づきつつある。

Google の中を動かす仕組みが早くなれば、自然にもっと熱くなる。 ( 訳注: 直訳は「Google の検索エンジンが早く動けば、自然と熱を帯びる」。恐らく、企業内に機敏さと柔軟さがあれば 競争力は自然に高まるのだ、ということの喩えだと思います。) これによって多くの失敗に 光明を投じることができる。Google が "Googley approach" と呼んでいる方法だ。( Googley とはどうあるべきかはうんざりするほど語られている。) Google の中を覗いてみると、 stellar financial result から予想されるほどには効率的ではない。 Google の新しいサービスは、検索サービスほど広まってはいない。評論家は「Don't be evil ( 邪悪になるな )」という独善的なモットーに対して嘲笑を向けている。たとえば Google Book Search で著作権がある本まで対象にすると決定したが、これは evil ではないのかということだ。 さらに、高騰している株価。2004 年 8 月 に 85 ドルだったものが、去年の1月には 475 ドルだ。 およそ一年で 400 ドル近く上昇している。UBS のアナリストである Benjamin Schachter は 次のように述べている。「あなたたちのやろうとしていることはもうたくさんだ。 いくつやったら気が済むんだ?」

投資家が関心を持っているのは、Google は 2 つ目のブレイクを考え出せるのかどうかだ。 広告事業つきの検索エンジンの成長は困難であることを示唆するものは何もない。 しかしGoogle が新しい形の広告事業に傾倒していっていることは明らかだし、 開発方法もスパゲティ化していることは明らかだ。その理由は、ひとつは、Google が 全ての技術者に勤務時間の 20% を自分独自のアイディア研究に充てさせている ( 訳注: Google の 20% ルールとして広く知られていることを差しているのでしょう ) ことにある。 技術市場でも、そうでない市場でも、ビジネスの第二幕で成功を収めるのは極めて稀だ。 成功した例を挙げるなら Windows から Office と続いた Microsoft、 メモリーチップの製造ラインを切り捨ててマイクロプロセッサに切り替えた Intel だろうか。 それと、Apple も苦難の十年を経てiPOD で大きな復活をしている。

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