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2006/11/21

変わらぬものは取り残される

東洋経済という経済雑誌には、「日本のメーカーの国際的なシェアは10年前に比べ著しく低下した」という記事がありました。 (日本が得意にしていた半導体分野は韓国のサムスンに一気に主導権を奪われた)

Re. LOHASっていいな・・・ 潮流

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0603/29/news014.html
残念ながらこちらにあるように、IT に関しては既に先進国からは脱落している というのが国際的な認識なのだ。

問題はいくもあるだろうけど、わたしは大きなものは次の3つではないかと思う。 ひとつはこれでもまだ日本は IT を含めた最先端技術の トップを走っていると誤解している人が日本の政治層に多いこと。 次は勉強する入り口が用意されていないこと。 最後は、日本という国は非常に保守的であること。

・日本は IT 後進国 -- これは認めよう
最初の問題の具体例のひとつとして、指摘されているように 携帯電話産業の誤解がある。これまで、個人向けコンピュータの OS やデスクトップアプリケーションで諸外国に押される中でも 日本の組み込み技術は世界トップだと主張されてきた。 しかし、過去にあった海外の携帯市場への進出は失敗に終わりほとんどの 企業が撤退している。結果はリサーチの通り。 国際的に見ると日本企業の携帯シェアはトップからは程遠いものだ。 しかし、日本国内ではこれが全く認められていない。

まずは現状を認識しよう。何事も現状を認識しないことには始まらない。 ただし現状を認識してがっくり orz しろとか、そこで諦めろってことじゃない。 「日本はトップなんだ!」じゃなくて「今はトップじゃないけどトップになるんだ!」 にしようよということ。

見て見ぬ振りでは成長することがないけど、 目標があってそれに向かって努力するなら成長していく。 競争力も上がっていくんじゃないかな。

・勉強のきっかけ -- 入り口 -- は用意してもらわないと
2つ目の問題も深刻だ。日本では IT 技術を習得させるまともな 教育が行われていない。教養程度の知識すら教育されていないのが現状だ。 専門学校で教えられているのも所謂 HowTo. ドッグイヤーを上回る速度で 回り、技術革新も頻繁に起きるこの業界では HowTo は短期間しか通用しないため 競争力を引き上げる起爆剤とはならない。

基礎から Deep な知識を身につけているのは一部の学部へ進んだ人間か、 個人でものすごい努力を積んだ人間、あるいは近くに詳しい方がいて その人に師事した人間くらいでしょう。

勉強は自分でするものだという意見はごもっとも。しかし なにがあって何がないのか、何ができて何ができないのか、 それはなんでだろう。という勉強をはじめるきっかけすらない状態で 勉強を始められる人間というのは多くないと思う。 「パソコンなんて持ってないし、触ったことも見たこともない。 周りでも誰も持ってないよ。それって何が出来るの?」 って状態でじゃぁ何から勉強したらいいんだろうってわかるだろうか? せめて、入り口を提供する場くらいは基礎教育で用意するべきだと思う。

・変わろうとしない(ry
「日本人は論理的でない」とか「日本人はチャレンジをしない」とか言われてるけど これ以上に有名なのが「日本人は保守的過ぎる」だろう。いくつかの企業を 渡り歩いてきた経験からするとこれは真実だ。10代~20代前半はまだ柔軟性がある ( それでもチャレンジは避けようとする傾向にあると思う ) が、40を過ぎた 方々は保守的を通り過ぎて偏執的とも言える。

たとえば20年前のビジネス手法がそのまま使えると信じていたりね。 20年前!20年前といえば紙とペンが中心の時代だ。コンピュータは ごく一部の人間だけが操れるよくわからないものという認識で、 一人一台なんて考えられもしなかった時代だ。外国にいる相手と 電話で連絡を取ったならものすごい金額を請求された時代だ。 書類を送りますっていったら郵送で数日かかっていた時代だ。

Longtailでも書かれていることだし、Googley Method でも触れられているし、 わたしの大昔のエントリでも書いたことだけど、いまはそんな時代じゃない。 オフィスのコンピュータは一人一台が当たり前だし、地球の裏側の相手とですら リアルタイムで連絡が取れる ( しかも料金は月額1万程度だ ) 時代だ。

ここ数年、情報は「メディアから一方的に押し付けられるもの」から 「ユーザが探してくるもの、ユーザ自身が発信するもの」へと変化しつつある。 これはユーザの需要にも影響を与えつつある。資本主義って基本は消費者の 需要だから ( 需要がなければ供給のしようがない )、需要が変わったなら 供給する側 ( つまり企業 ) も変わらなきゃならない。ところが供給側は 頑なに変わることを拒否しているように見える。

そこへユーザの需要を満たしてくれるようなものを引っさげた 別の企業が参入してきたらどうなるだろう。これは現在の市場が 証明していると思う。自分の需要を満たしてくれるものへの乗り換えが起こるから 既存の企業のシェアが切り崩されていくんだ。 日本人はブランド志向が強いみたいだから乗り換えはゆっくりみたいだけど、 でも徐々にシェアの構成図は変わっている。

何が言いたいかというと、ユーザの需要を無視して 「我が社が供給するものを黙って使え」というスタンスは、 他の企業にチャンスを与えているということ。 シェアを奪われるのがイヤなら積極的に変わっていかなきゃならない。

もちろん既存の企業がこんな間抜けでいることは新興企業にとっては 大きなメリットだ。いまなら SNS でコミュニティを回るとかで 需要が満たされていないと思われるポイントを見つけることも 簡単になった。ピンポイントなブルーオーシャン戦略といえる。

「時代の変化や波に適合・適応する国や個人が競争に勝ち、生き残る」
というのはこういうことだと思うよ。

長々と書いたけど、わたしは文章が下手なので何言っているのか さっぱりわからんってひともいるだろうし、無名の戯言なんか 信じられるかって人もいるでしょう。そこで本を 3 冊紹介します。 判りやすく、データも表記されているので興味があれば読んでみてくださいな。

Reference
Longtail ( 原著: Chris Anderson / 訳:篠森 ゆりこ )
イノベーションのジレンマ( 原著:クレイトン・クリステンセン/訳:玉田俊平太, 伊豆原弓 )
ブルーオーシャン戦略( 原著:W・チャン・キム/訳: 有賀裕子 )

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コメント

ブログのご紹介ありがとうございました。

Referenceにある本はすべて本質的でかつ有名な本ばかりですね。

特にブルーオーシャン戦略はCXOクラスなら必読の書として有名ですよね。


ちなみに、日本がIT先進国になるヒントは現在であれば、この本が該当するように私は思えます。

去年の暮れあたりからきている潮流です。

The Art of Innovation~発想する会社!~
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/415208426X

それでは、失礼致しました。

投稿: LOHAS | 2006/11/22 23時53分

The Art of Innovation は The Ten Faces of Innovation と
合わせて引き合いに出されることが多いですね。

この2冊はまだ読んだことがないので、
時間を作って読んでみようと思います。
ご紹介ありがとうございました。

投稿: Fomalhaut | 2006/11/26 22時36分

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