今まで仕事場では OpenOffice を使っていたんだけど、やはり OpenOffice では互換性の面でも使い勝手でも MS-Office には遠く及ばないということで MS-Office を申請することにした。
その前に Office2007 を体験版でテストしてみることに。前に聞いていた情報では、以前のバージョンとの互換性が低いという話やコンバータが必要だということらしい。もし本当にそうなら Office2003 で申請しなきゃならないからね。
インストールイメージは Microsoft のサイトからダウンロードできる。ダウンロードには MS Passport のアカウントが必要なので、持っていない人はダウンロードの前にアカウントの登録が必要になる。
インストールイメージのサイズそのものは 500MB ちょっとで 2003 とそれほど変わらない気がする。しかし、インストールを開始して驚いた。インストールに必要な HDD スペースは標準インストールですら 1.8GB だという。ちなみに Office2003 Pro はフルインストールでも 600MB 程度。実に3倍!ま、会社の仕事用マシンだしね。家のように WAV ファイルそのまま突っ込んだりはしないわけだから、ディスクを有効に活用してくれていると考えることにしよう。
インストールが終わって、起動すると使用期限が書かれたアクティベーションウィザードが起動する。ま、これも納得できる。ごまかしていつまでも使われたくはないだろうから。とはいえ、製品版でもしつこくアクティベーションを要求されるのはいまだに納得いかないが ( Office2003 にて )。
アクティベーションを済ませてから Office を再起動すると、制限が完全に解除されて使用期間内であれば機能的な制限なく使えるようになる。いくつか古い Office ファイルを開いてみたけど、ファイルのコンバート処理が必要になるようなことはなかった。編集と保存も普通にできる。少なくともわたしの環境では Office2003 では開けるが、Office2007 では開けないといった互換性問題は発生しなかった。
ファイルを保存するときは、Office ボタンからどの形式で保存するのか選択できる。ほかのバージョンの Office と互換性を保ちたいなら「Office97-2000」形式を選べばいい。各保存形式の説明も簡潔に表示さて、どれを選んだらいいのかということが判別しやすくなっているのも評価できる。
ウィンドウ上部の、かつてのツールバーがあった部分が一新されているというのは情報サイトで広く報道されているとおり。とはいえ、わたしは「ただ単に派手になっただけで、今までと同じか使いづらくなっているんじゃないか」と思っていた。が、実際には、今のところは、今回の UI 変更で使い勝手は向上しているように感じる。
フォント選択部分は、今まではべろっとメニューを出してスクロールしながら探さなきゃならなかった ( これはとても面倒だった ) のが改善されて、多くのフォントの英語表記がついたので VS2005 のような強力な補完機能を利用して、インクリメンタルサーチで選択していけるようになった。フォントの修飾も、よく使うものならワンクリックで行えるのは便利。
セルの削除 ( 内容を削除するんじゃなくて、セルそのものの削除ね ) は結構面倒だったと思う。これも 2007 では改善されて、ワンクリックで削除できるようになっている。結構使う機能だったので個人的にうれしい。
もうひとつ、地味なようでうれしいのがリボンのタブ切り替えがキーボードで行えること。もちろんタブの中にある各機能もキーボードで選択できる。Alt キーを入力するとタブやボタンの右下に、それぞれに対応したキーが表示される。たとえば H キーを押すと [ホーム] タグが選択され、その下のボタンのショートカットキーが表示される。その状態で [1] キーを押すとセルの文字がボールド修飾される。ボタンにないメニューを選択するときは、たとえばフォント関連なら [Alt] -> [H] -> [F+N] と押していくと、詳細設定ダイアログが開く。ホームポジションから手を動かすことが少なくなったのはとてもうれしいことだ。
なお、ヘルプも改善されていた。Office2000 のときはびっみょ~なヘルプだったと思う。イルカとかのマスコットが助けてくれるという機能だったらしいがほとんど役に立つことがなく、アンインストールしてしまったほうが ( 余計なポップアップがなくなるし、HDD スペースも増えるので ) 有益だったくらい。Office2007 では、少なくとも体験版では、基本的にはオンラインヘルプに移行したようだ。まだ若干カテゴライズに違和感を覚える部分もあるけど、大分使いやすくなったと思う。
様々な操作を、マニュアルを一切見ることなく直感で行えてしまうという点がすごい。
欠点をあげるなら、結構重く動作がややもっさりしているので高速でキーを叩き込むと拾いもれがあること。ただし、セキュリティソフトが絡んでいるのかもしれないので、セキュリティソフトが入っていない環境で試してみないと断言はできない。それと、好みの問題かもしれないけど、グラフに関するメニューは別のタブに独立させてほしかった。
2007.03.04 追記
自宅のラップトップにもインストールして試用してみた。その結果、もっさりした動作の原因はやはりセキュリティソフトにあったようだ。NOD32 + Outpost の環境下では、Norton または AVG Free の環境に比べてストレスなく動作した。こういった誤爆が出ることも合わせると、やはり Norton は退場してもいいように思える。
それと、わたしが試用した中では、OneNote2007 は前バージョンとそれほど大きな違いは見られなかった。OneNote2007 で変わったと感じたのは、導入チュートリアルがより分かりやすくなったことと、テンプレートが使いやすくなったことくらい。すでに使い方は熟知していて、テンプレなんて使わずノートはすべて自分で作るよというユーザは OneNote2007 に乗り換える必要性は低いでしょう。
Visio2007, InfoPath2007 などについては使っていないので何とも言えません。Visio は暇になったら触ってみるかもしれませんが。