[science] ビッグバン宇宙論

3 日ほど沖縄に行っていました。旅先ではネットに繋げなかったのですが、本を読んだり自然を観察することができました。 些細なことですが仮説を立ててそれを観察で確かめたりと、久し振りの、数年ぶりのゆっくりとした充実した時間だったと思います。 そこで実感したのは時間に追われる生活を送っていては知性は伸ばせないし、ろくなことを想起できないということでしょう。 欲を言えば、ヤンバルや西表で生物相を観察してみたかったです。動物園でイリオモテヤマネコなでなでもしたかったな (*/▽\*)
さて、持っていった本は「ビッグバン宇宙論」。読みたかったのですが、仕事方面で学ぶことが多くてまとまった時間をとることができなかった わたしの原点ともいえる理学分野のお話です。邦題からは暗号としか思えない数式と計算だらけの難しい本を連想してしまうと思いますが、実際の 内容は原題 "BIG BANG - The Most Important Scientific Discovery of All Time and Why You Neet to Know About it" が表している通りのものです。
「宇宙がどうなっているのか」この問いに人間は紀元前から挑み、いくつもの考えが生まれました。 広く受け入れられた考えもありますし、「常識的にありえない」と一蹴された考えもあります。 この本では、その考えがどうして生まれたのか、どうして当時否定されてしまったのかといったことと、 それぞれの説を考えた人たち -- 望遠鏡を自作したマッチョな貴族のおじさんとかメイドさん、アインシュタインの苦悩 -- のエピソードが書かれています。 この本の上巻を読めば宇宙論は突飛なものではなく、他の分野と同じように日常から生まれたものだということがわかるでしょう。
しかし、本書が優れているのは「科学者として一番大切なものは何か」を簡潔にそして説得力のある形で示していることと、 それにどのようにして向き合えばいいのかも具体的に書かれていることでしょう。科学者として疑問に向き合うにはどうすればいいのか、 データをどのようにみればいいのか。そして、打ち砕かれる説と生き残る説はどこが違うのか。
宇宙とは関係がない分野を研究している、または目指している場合でも本書から得られることは大きいと思う。 学生、あるいは研究者として続けていくことに疑問を感じた時に読んでほしいタイトル。
もちろん、本書には宇宙に関する様々な疑問の答えとその考え方もわかりやすく解説されている。 月の大きさはどうやって求められるのか。宇宙に行くこともできない紀元前に地球の赤道距離をどうやって求めたのか。 地球から太陽までの距離はどうやって求められたのか。すんごい遠くにある星 -- たとえばシリウス -- までの距離ってどうやって求めるのか。 宇宙の大きさってどうやって考えるの? こんな疑問を持ったことがあるなら楽しめるでしょう。
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