[ CUDA ] Thinkpad に CUDA ドライバをインストールする方法
先日のエントリで書いたとおり、Thinkpad T61 に CUDA driver を普通にインストールしようとしても、インストーラに弾かれてしまう。mini PCI-E スロットの制限といい、開発環境の作成すらできなくする制限といい、Lenovo が設けたくだらない制限には辟易させられるばかりだ。CUDA がインストールできなくて困っているユーザは結構いるのか、前のエントリの反響が大きかったので、このエントリでは Thinkpad T61 に CUDA driver をインストールする方法をまとめた。
NOTICE!
このエントリで説明する方法は、本来はサポートされていないドライバを強制的にインストールする方法です。このため予期せぬトラブルが発生する可能性は否定できません。たとえいかなるトラブルが発生したとしても、筆者は一切の責任を負いません。また、この方法によって発生したトラブルについて Lenovo 社および NVIDIA 社へ問い合わせを行うことは一切しないでください。
すべて自己責任の上で操作を行ってください。
まずは CUDA ゾーンのダウンロードページから「開発者向けノートブックドライバβ版(バージョン190.38)」の CUDA driver をダウンロードする。2009-11-17 現在の最新バージョンは 190.38 で、ファイル名は cudadriver_2.3_winvista_32_190.38-beta_notebook.exe となっているはずだ。
ダウンロードしたファイルは自己解凍 CAB 形式のファイルなので、適当なアーカイバで強制展開する。ダブルクリックするとインストーラが起動してしまい、例のごとく「Thinkpad だから」という理由で弾かれてしまうので注意しよう。
次にデバイスマネージャを起動する。T61 であれば下の Fig1 のようになっているはずだ。NVIDIA Quadro NVS140M を右クリックして、表示されたメニューからプロパティを選択する ( 赤線で囲んだ部分 )。T61p の場合は、Quadro FX570M が表示されるはずだが、同様にプロパティを選択する。
Fig1. デバイスマネージャ
プロパティを開いたら、「ドライバ」タブにある「ドライバの更新(P)」ボタンをクリックする ( Fig2 )。これ以降は、INF ファイルを選択するところまで T61 と T61p は共通の操作になる。
Fig2. NVS140M のプロパティ
最初に表示される「どのような方法でドライバソフトウェアを検索しますか?」に対しては「コンピュータを参照してドライバソフトウェアを検索します(R)」を選択する ( Fig3 )。
Fig3. ドライバ検索方法の選択
検索方法を指定した次の画面では「コンピュータ上のデバイスドライバの一覧から選択します(L)」を選択する ( Fig4 )。なお、自動で検索させてもまともに探してくれないことはいうまでもない。
Fig4. 参照方法の選択
「このハードウェアのためにインストールするデバイスドライバを選択してください」なんて画面になるが、表示されているデバイスリストには目的のドライバはない。「ディスクの使用(H)」ボタンをクリックする ( Fig5 )。
Fig5. ドライバの選択
「フロッピーディスクからインストール」という楽しいジョークを表示してくれるが、Quadro のドライバが FD に収まるわけがないので「参照(B)」ボタンをクリックする ( Fig6 )。
Fig6. FD からインストール!?
ファイル選択ダイアログが開いたら、INF ファイルを指定する。指定するファイルは T61 と T61p で異なる。T61 の場合は NVDM.INF を選択する。ファイルの場所は、T:\CUDA\cudadriver_2.3_winvista_32_190.38-beta_notebook に強制展開したとすると、T:\CUDA\cudadriver_2.3_winvista_32_190.38-beta_notebook\Display\NVDM.INF ( Fig7-a )。
Fig7-a. T61 では NVDM.INF を指定する
T61p では NVBL.INF を指定する。ファイルの場所は T:\CUDA\cudadriver_2.3_winvista_32_190.38-beta_notebook に強制展開したとすると、T:\CUDA\cudadriver_2.3_winvista_32_190.38-beta_notebook\Display\NVBL.INF ( Fig7-b )。
Fig7-b. T61p は NVBL.INF を指定する
INF ファイルを指定したら OK ボタンを 2 回クリックする。すると、「このハードウェアのために(ry」で表示されるデバイスリストに Quadro NVS140M が表示されるはずだ。T61p の場合は Quadro FX570M が表示される ( Fig8 )。T61 の場合は Quadro NVS140M を、T61p の場合は Quadro FX570M を選択した状態で「次へ(N)」ボタンをクリックする。
Fig8. 更新されたデバイスリスト
お約束の警告ウィンドウ Fig9 が表示されるが、かまわず「はい(Y)」をクリックしてドライバをインストールする。書名があろうがなかろうが、落ちるときは落ちるし動くときは動くのだ。
Fig9. ドライバの警告「署名がないっすよ?」
なお Vista ではドライバの署名のチェックが厳しくなったのか、実に親切なことに Fig10 の警告をもう一度表示してくださる。あまりにも親切な警告をいただきまことに恐縮なのだが、率直に言って余計なお世話である。わたしの経験上だが、署名されていてもオチまくる腐ったドライバもあれば、書名がなくても安定して動作するドライバもある。こんなくだらないものをぽんぽん表示するから Vista はいつまでたっても普及しないのだ。
署名の有無なんぞ無視していい。「このドライバソフトウェアをインストールします(I)」を選択する ( Fig10 )。
Fig10. ありがたすぎて涙が出てくるくらい邪魔な 2 度目の警告
ドライバのインストールが完了すると Fig11 が表示されるので Thinkpad を再起動する。
Fig11. インストール終了
再起動すればドライバのインストールは完了だが、NVIDIA コントロールパネルは起動しない。起動しようとしても version mismatch とエラーが出て終了してしまうのだ。こちらの問題はまだ解決できていない。
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