iPad が騒がれる理由がわからない
* オリジナルは Live Space
iPad が騒がれているがわたしにはあれのどこが便利なのか、どうしても理解できない。
ITMedia に iPad に関する eWeek の評価記事の翻訳が掲載されており、そこでも書かれていることだが、iPad はマルチタスクではないのだ。
6. マルチタスクはどこに
残念ながら、iPadはマルチタスクをサポートしていない。ユーザーが文書とWebを切り替えながら事実を確認したくても、できないのだ。今使っているアプリを閉じないと、ほかのアプリを開くことができないからだ。ほかのデバイスだったら、マルチタスクがなければ店頭で売れ残ってしまうだろう。iPadなら、マルチタスクでなくても売れるだろう。
( FlashもUSBもないiPad――Apple製品じゃなかったら売れない, e Week 原文 )
Flash や USB はどうでもいいことだが、マルチタスク非対応というのはいただけない。この一点でも実用性が大きく落ちていると思うのだ。
本を読んでいてわからないことに出くわすことは少なくない。専門書なら当たり前のようにあることだし、小説でも歴史的背景やその小説が書かれた地域あるいは国の文化的背景を知っていなければ理解できない表現を目にすることがあるだろう。こんな時、マルチタスク対応 OS であればちょいとブラウザに切り替えて調べて、何か適当なものにメモを取りながら本を読み進めていくことができる。しかしマルチタスク非対応だとこんな単純なこともできない。( 疑似マルチタスクだとタスクを切り替えるたびに待たされてイライラする )
それに IM を起動しておいてリアルタイムで友人からの連絡を受け取れるようにしておく ( 返信はできるときにするけど ) ということもできない。
Android は使ったことがないのでどうなのかわからないが、少なくとも Windows Phone ではブラウザとリーダと IM を同時に動作させるといった使い方くらいはできた。iPad ではこんな単純なこともできない。
iPad が売れるとしたら、それは Apple 製品で、さらにスティーブ・ジョブスが騒ぎ立てたからだろう。
狂信者というのはまったくもって理解しがたい。
2010-05-17 追記
Impress Watch に山田氏のコラムが掲載されており、そこでも次のように書かれていた。
資料のビューワとしてはどうかというと、さすがにiPadは秀逸だ。GUIも優れている。使っていて気持ちがいい。自炊した(最近は自分で書籍や書類をスキャンしたりすることを自炊というらしい)PDFを見たり、MPEGファイルを見たりするには悪くない。バッテリでの稼働時間も合格点だろう。でも、それはノートPCでも代替はできる。iPadはノートPCの代わりにはならないが、ノートPCはiPadの代わりになれる。
( どうしても見つからない iPad の居場所, 山田祥平, 2010-05-14 )
そう、iPad はノート PC で十分代用できるのだ。iPad でなければできないことはない。そして、ノート PC ではできることが iPad ではできないのだ。
iPad は Apple が認めたことしかできない。Jail Break なしでは Apple が認めたアプリしか使えない。そのアプリ開発環境ですら、Apple が次々に制限を加えてくる。
便利さはもちろんだが、「自由」という点でも、iPad には魅力がないように思える。
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