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2012/02/23

[ ニッキ ]同じオフィスにデスマ担当チームとそうでないチームがいたらどうなるか

考えがあったら表に出すべきだ。
当たり前のことだと思っていたけれど、自分がうちに引っ込めてしまっていた考えがあまりに多かったことに気付いた。あんまりいい話じゃないけど書こうと思う。

Reference:
受託の話をしよう ( F's Garage, 2012/02/21 )

えふしん氏は「受託の話をしよう」のなかで、いくつか重要な現実を突き付けている。
そのなかのひとつは受託(他社から案件を受けてその通りに作る)と自分たちのアイディアに基づいて 自分たちで何かをつくることを両立させることは難しいということ。

"もし同じオフィスに、デスマ的な顧客案件と、まだ数ヶ月以降に儲かるかわからない案件をやってるグループが共存していたらどうなるか。"

実際の経験からいうと同じオフィスに「共存」は無理でしょう。

わたしもちょっと酷い経験をしている。

ある人たちが「自分は C が苦手だし、こんな酷い C++ のコードを扱うのは嫌だ」 と言いだしたのだ。

その時、実際にお金になるものは「こんな酷い C++ のコード」しかなかった。

そう主張した何人ものプログラマの名誉のために断わっておくと、本当に酷いコードだったのは事実。

グローバル変数がたくさんあった。
C++ なのになぜかグローバル関数だけで実装された機能もあった。
int 型はもちろん、ポインタでさえも初期化されていないことがざらだった。
ファイルの存在確認はするが、読み書きができるかどうかは確認しないこともざらだった。
まともなドキュメントはほとんど残っていなかったし、 それを書いた人のほとんどは辞めてしまっていた。
そこには実際に目にすることはないと思っていた「かつて見たこともないほど巨大なクソの山」があった。

ドキュメントもなく難解なソースコードに苦しめられた結果解読を諦め、 ダメ元でバイナリエディタでデータファイルを直接開いたらそっちの方が楽だったこともあったけな。
( バイナリエディタ覗いた方がマシだったことはさすがに5回もなかったけど )

わたし自身、「あまりに酷すぎるのでこれを使い続けるのは無理がある。作り直すべきだ」と主張した一人でもある。

話を元に戻して、オフィスはどんな状態になったかを話そう。

哀れなチームで働くことになった人たちがいた。
一方で「割と普通」なチームで働くことになった人達がいた。

哀れなチームで働くことになった人たちは、毎日オフィスでかつて見たこともないほど巨大なクソの山にもぐらされ、そのたびに何か問題を見つけてはなおし、また既存プログラムに対する顧客からの要望も聞くことになった。毎日がデバッグと、「デスマ的な顧客案件」というやつだ。

「割と普通」なチームで働くことになった人たちは、自分の会社の新たな製品をつくるというミッションが与えられた。「自分の会社の」というところがポイントなんだろうね。えふしん氏の指摘するように「そこまで追いつめられていない」。加えて基本的には仲良しさんだけで集まったようなチームだということもあるのだろう。「〇〇(業界での有名人さん)がどこの会社に移ったらしいよ」とか「あのサービス面白いよね、使ってみた?」とすぐに雑談に興じることになった。

割と普通な人たちはこうも言った「C/C++ は苦手だから」「C++ はわからないから」
さらに哀れな人たちは会社の上部からこういわれた「君たちの売り上げは保守契約料金の1割だ」
哀れなチームの人たちはいつまでたっても哀れなチームのままだった。

デバッグとデスマ的な顧客案件を押し付けられた人たちは「割と普通」な人たちの雑談と笑い声に仕事の邪魔をされ、それでも顧客から納期をせっつかれ、さらに悪いことに低い評価(メンテが低く見られがちなのはよくあることだけど)まで押し付けられる日々を送ることになったんだ。

そんな中で心の平静を保てるかって?
そんなこと、あるわけない

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